研究メモ ver.2

安藤道人(立教大学経済学部准教授)のブログ。旧はてなダイアリーより移行しました。たまに更新予定。

財政

「成長のための負担増」

「成長のための負担増」は日本でも定着するのか?『週刊東洋経済』2010年4月24日号 http://kenjoh.com/10/04/100424toyokeizai.pdf 権丈氏の影響が、権丈氏のコメント以外の記事全般に、かなり色濃く感じられる。政府の規模、税制、社会保障のあり方について…

介護保険財政の「限界」

介護保険「限界」 市区町村の半数「国や県が運営を」(朝日新聞) http://www.asahi.com/health/news/TKY201004200512.html 市区町村が運営している介護保険について、首長の約半数が「都道府県や国が運営するべきだ」と考えていることが、朝日新聞の全国自…

権丈氏、早くもご隠居引退か。

見えづらい政界を理解する一助に http://news.fbc.keio.ac.jp/~kenjoh/work/korunakare301.pdf 3月下旬に、日本の副総裁兼財務・経済担当大臣に会ったときに、僕は「来年度から1%もしくは2%づつ、毎年引き上げていく」と云う。毎年消費税率を引き上げる…

子ども手当と外国人

(以下、何回か書き直したり追記したりしています。)いろいろ話題になっているようだが。 子ども手当ての窓口に ネパール人、韓国人、中国人… http://www.j-cast.com/tv/2010/04/02063679.html?p=all 「子ども手当を。母国に子供4人」→年間62万4千円(母国…

メモ:「地域主権」の実現に向けた地方財政抜本改革」

提言:「地域主権」の実現に向けた地方財政抜本改革」 赤井伸郎先生(大阪大学)・岩本康志(東京大学)・佐藤主光(もとひろ)先生(一橋大学)・土居丈朗先生(慶応大学) http://www.geocities.co.jp/SilkRoad/3841/teigen20100312.pdf これまでの提案の…

2011年から非EU圏からの学費有料化@スウェーデン

スウェーデンの大学は、現在、学部・修士過程・博士過程すべてにおいて、国籍問わずに学費は無料、さらに(たぶん)全ての博士過程の学生は一定の大学業務(授業やテスト採点など)の分担をしつつ給料も支給される(学部によって額は違うみたいだし不確かだ…

「もはや政府の財政だけでは賄いきれないのは明白」かもしれないが。

日本の社会保障費。2010年度歳出総額92.3兆円。そのうち24.8兆円が社会保障費。しかも増えている。もはや政府の財政だけでは賄いきれないのは明白。医療・介護・保育の分野へ新しいソーシャルビジネスの担い手の参入を促したい。渡辺周総務省副大臣 http://…

「税制調査会専門家委員」の勢力図

税制調査会 専門家委員会 委員名簿 http://www.cao.go.jp/zei-cho/gijiroku/pdf/21zen27kai2.pdf 「私の数え方だと,専門家は1名」(田近氏かな?)という岩本康志氏のツイッターでのコメントはさすがに言いすぎだと思うが(こういう表現をすると、また経済…

消費性向と乗数効果の関係

池田ブログ経由で。http://www.youtube.com/watch?v=ew6ojoZ0G58&feature=player_embedded財務大臣がこれってのも困るかもしれないけど(かくいう自分も、ああいう場でいきなりばっと質問されたら混乱しそうだ)、質問するほうも、ちゃんと予習(復習)する…

"税の表示法、消費を左右"

大竹ブログによると、1月18日の日経新聞の「経済教室」は大竹先生の「税の表示法、消費を左右」だったらしい。 http://netplus.nikkei.co.jp/nikkei/news/econotre/econotre/eco070509_35.html によるとフィンケルシュタインの2009年の論文(これかな?) EZ…

鈴木亘VS権丈善一 年金論争番外編

こないだのエントリ 鈴木亘氏の週刊東洋経済への反論 http://d.hatena.ne.jp/dojin/20100106#p1 に対して、知り合いから以下のようなメールを頂いたので、許可を得た上で掲載。自分は相変わらず勉強不足でなんともいえないけど、こういう情報はありがたいで…

鈴木亘氏の週刊東洋経済への反論

週刊東洋経済への反論1「未納の増加で年金は破綻しない」(上下) http://blogs.yahoo.co.jp/kqsmr859/30870598.html http://blogs.yahoo.co.jp/kqsmr859/30870634.html 以前書いたような世代間格差についての価値判断の問題以前に、まだまだ技術的なレベル…

年金メモ+再分配メモ

年金メモ: 勿凝学問264 公的年金には世代間格差はあるけど、それがどうした?――「負け太り」という言葉も覚えてもらおうか http://news.fbc.keio.ac.jp/~kenjoh/work/korunakare264.pdf この間、こう書いたけど、権丈氏はそれなりにまとまって書いていたよ…

教育費メモ

既婚女性の93.6%、子どもは「2人以上」が理想 民間調べ(日経新聞) ライフネット生命保険は既婚女性を対象とした、出産と育児に関するアンケートの調査結果をまとめた。子どもの数の理想を尋ねたところ、44.6%が「2人」、42.4%が「3人」を選ぶなど93.…

「社会保障の財源どうする?」『産経新聞』7月10日(権丈氏(慶応大)V.S峰崎氏(民主党参議院)+北欧の所得税改革メモ

「社会保障の財源どうする?」『産経新聞』7月10日(権丈氏(慶応大)V.S峰崎氏(民主党参議院) http://news.fbc.keio.ac.jp/~kenjoh/work/09/07/090710sankei.pdf 面白いのは、別に意見対立しておらず、税制、無駄の削減、社会保障、年金、ほぼ全ての項目…

優生学と財政学再論

といってもべつに再び論じるわけでなく、いつもどおり再びメモするだけですが。。。今日、微妙に重なる部分がある2つの議論を読み、久しぶりに考えた。一つ目 医療費増、経済にプラスも(岩本康志氏) http://www.rieti.go.jp/jp/papers/contribution/iwamot…

事業仕分けメモ:自立支援法調査と地方交付税

各地で話題になっている国の事業仕分け。ベースになっている構想日本の自治体の事業仕分けには昔から興味があったが、ちゃんとフォローしたことはないのでとくになんも言えることはない。で地方交付税も今日、対象になるということでぷらぷらと行政刷新会議…

地方分権改革推進委員会第4次勧告メモ

地方税もだが、特に地方交付税について、いったいどんなことを言うのだろうと前々から気になっていたのですぐにチェック。http://www.cao.go.jp/bunken-kaikaku/iinkai/torimatome/torimatome-index.html要約より抜粋。 3 地方交付税 ・ 地方税の充実により…

東洋経済10/31号:年金特集をめぐって+金融政策と民意(おまけ)

東洋経済10/31号 http://www.amazon.co.jp/%E9%80%B1%E5%88%8A-%E6%9D%B1%E6%B4%8B%E7%B5%8C%E6%B8%88-2009%E5%B9%B4-10-31%E5%8F%B7/dp/B002SUIA02/ref=sr_1_2?ie=UTF8&s=books&qid=1257226990&sr=1-2をめぐって、肯定的な権丈氏と批判的な鈴木氏がいる(た…

メモ:子ども手当てと保育バウチャー

待機児童問題は何故解決できないのか?(鈴木亘氏) http://blogs.yahoo.co.jp/kqsmr859/archive/2009/10/19 保育問題を経済学で考える〜病児・病後児保育不足編(鈴木亘氏) http://blogs.yahoo.co.jp/kqsmr859/archive/2009/10/21 「潜在待機児童八十万人…

メモ:鈴木亘(2009)「財源不足下でも待機児童解消と弱者支援が両立可能な保育制度改革〜制度設計とマイクロ・シミュレーション」

鈴木亘氏の保育研究の最新版。ぱっとみ、いままでで一番包括的な感じ。価格設定を固定価格とするか、直接補助付きの自由価格とするかは、駒村氏などとは意見が分かれるところか。 鈴木亘(2009)「財源不足下でも待機児童解消と弱者支援が両立可能な保育制度改…

メモ:権丈教授に医療政策をきく

長い。いずれ読むかもということでメモ。 日本歯科医師会(081112)「権丈教授に医療政策をきく 第1回」『日本歯科医師会雑誌(2009, Vol.61, No.10) http://news.fbc.keio.ac.jp/~kenjoh/work/zadankai2.pdf 日本歯科医師会(081112)「権丈教授に医療政策を聞く…

『脱貧困の経済学』+『税を直す』:所得税入門書としても読める。(追記1〜7あり)

頼んでいた荷物を送ってもらったついでに、気になっていた2冊も送ってもらい、さっそく斜め読み。脱貧困の経済学-日本はまだ変えられる作者: 飯田泰之,雨宮処凛出版社/メーカー: 自由国民社発売日: 2009/08/21メディア: 単行本購入: 36人 クリック: 532回こ…

ワシントンポストの日本の医療保険紹介記事

いくつかのブログで取り上げられていたのでメモ。 Health Care in Japan: Low-Cost, for Now http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2009/09/06/AR2009090601630.html 日本人にとっては既知の内容が多いと思うが、よくまとまっている。

メモ:「小さな政府」、「大きな政府」、「社会保障の負担/給付」に関する国民意識

小さな政府と社会保障の両立を求める変な国民(すなふきんの雑感日記) http://d.hatena.ne.jp/sunafukin99/20090908/1252362873 このテーマは少しくらい前から日本の経済学者や社学者の実証研究の対象ともなっているテーマでもある。個人的には、国民という…

メモ:障害者福祉関連の重要エントリ二つ

「翻弄」 http://d.hatena.ne.jp/lessor/20090831 lessorさんの地域生活支援事業についてのエントリ。介護保険ができるときに、「介護保険は地方分権の試金石」などと言われながらも、結果的に中央集権的要素の強い制度となり、地方分権推進派からは批判の声…

「教育財政の社会学」あるいは「教育の財政社会学」ついでに「教育財政の経済学」

教育と平等 大衆教育社会はいかに生成したか (中公新書) [ 苅谷剛彦 ]ジャンル: 本・雑誌・コミック > 文庫・新書 > 新書 > その他ショップ: 楽天ブックス価格: 907円1.「教育財政の社会学」あるいは「教育の財政社会学」 二年前に、それこそ生煮えの内容…

メモ:京極高宣「障害者自立支援法の利用者負担について」その1

京極高宣 (国立社会保障・人口問題研究所) 「障害者自立支援法の利用者負担について」 http://www.ipss.go.jp/publication/j/DP/dp2008_j02.pdfコメント: 高橋紘士(立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科) http://www.ipss.go.jp/publication/j/DP/dp20…

[地方財政][学問]第76回地方分権改革推進委員会メモ

第76回 地方分権改革推進委員会 http://www.cao.go.jp/bunken-kaikaku/iinkai/kaisai/dai76/76gijishidai.html 資料、議事録ともに興味深く、勉強になる。 議論の要約は、下記ブログも参照↓ http://d.hatena.ne.jp/sunaharay/20090408/p1 しかし、田近氏の…

『日本の難点』:「大きい社会」を支える政府のあり方についてメモ

日本の難点 (幻冬舎新書)作者: 宮台真司出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2009/04/01メディア: 新書購入: 28人 クリック: 233回この商品を含むブログ (227件) を見る本書のまえがきはこちらで読める↓ http://www.miyadai.com/index.php?itemid=724宮台真司の…