研究メモ ver.2

安藤道人(立教大学経済学部准教授)のブログ。旧はてなダイアリーより移行しました。たまに更新予定。

「ヤバい経済学」ブログより

"The real reason I went into economics"
http://www.freakonomics.com/blog/2006/05/21/the-real-reason-i-went-into-economics/

He plans to study economics because “that’s what gets the chicks.”

ネタにマジレスというネタですが。

第一に、心理学や社会学のほうが使えるんじゃないかな。。。ミクロモデルを組み立てて行動インセンティブを一般的に考察することより、目の前の人間の具体的・個別的な価値規範、文化資本、コミュニケーション作用などを読み取って、それに対応していくほうが有用だろうし、そのためにはいまのところ、まだ経済学より社会学や心理学のほうが使える気がする。

第二に、相手のインセンティブを客観的に理解することと相手と親しい関係になっていくことの間には深い断絶があるので、どちらにしろ訓練が必要だと思う。もちろん、ある特定の条件下においては(例えば、偶発的であり、他の人間とも同じことが起こることが十分想定されるような平凡な対面状況下とか、こちら側の非コミュニケーション側面にたいしたプラス面がないような状況下とか)前者は後者の必要条件かもしれない。しかし、費用対効果で考えるならば、経済学(のみならず社会学や心理学)などは学ばずに、巷にあふれるハウツー本に載っている簡単な仮説群や巷にあふれる諸言説を、実地調査を行いながら検証していくほうがよいのでは。

そして試行錯誤しながら自分なりの仮説群を構築し、その仮説群が当てはまりやすい対象領域を定めていき、その対象領域に属する人間にターゲットを絞って頑張るのが一番効率的だと思う。そして経験を積みながら、自分の仮説群を、より汎用性の高い(つまり、対象領域が広い)ものに改良していけばよいのではないか。

確かにその極限においては、汎用性の高いモデル(=仮説群)を構築できるのかもしれないが、最初に経済学モデルとかゲーム理論とか学んでも、あまり使い物にならない気がする。。。

*ここでの話は、あくまで私の想像・妄想に基づくものであって、経験に基づくものではない、のですよ。