研究メモ ver.2

安藤道人(立教大学経済学部准教授)のブログ。旧はてなダイアリーより移行しました。たまに更新予定。

障害者団体と厚労省と財務省(と追記で経済財政諮問会議)

全国自立生活センター協議会(JIL)のシンポジウムにいってきた。
『障害者の地域生活と展望』
http://www.j-il.jp/jil.files/event/20050605/20050605.html

最近、財務官僚の講義を立て続けに聴講しているのだが、今日は厚生労働省の官僚の話と障害者団体の人の話とALS患者団体の人の話を聞いたのだった。
(追記:1シンポジストの後日談 http://d.hatena.ne.jp/ajisun/20050607)
そこで思ったのは、運動している忙しい人達はともかく、研究者や野次馬のうちの誰かは、障害者団体と厚労省財務省(と追記で経済財政諮問会議)のそれぞれの言い分をきちんと体系的に分析できなければならないんじゃないかなぁ、少なくともできる人がいたほうがいいんだろうなぁ、ということだ。

私の雑感だが、障害者運動や障害者福祉に関わる社会学者や社会福祉学者は、財政・税制の議論に弱い傾向がある。もちろんこんな積読本(isbn:490198800X)もあるし、私の把握している範囲などかなり狭いからあてにならないかもしれないが。

逆に、財政の専門家たる経済学者たちや財務官僚(と追記で経済財政諮問会議の人達)は、財務省厚労省レベルの議論は理解していても、障害者たちの思想や運動などには無頓着もしくは無関心な人が多そうだ。

かといって私がこれらを理論的に繋げていく糸口を持っているわけではなく、困ったものなのだ。それどころか、私はすべてに関して中途半端で困っているのだ。

というわけで、いろいろウェブ上で見られる各団体の資料を整理してみようと思い立った。関係者の人達は馴染み深いものばかりでしょうが。

厚生労働省

『今後の障害保健施策について(改革のグランドデザイン案)』
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2004/10/s1012-4.html

10月12日に開催された第18回社会保障審議会障害者部会において、厚生労働省障害保健福祉部より提示されたいわゆる「グランドデザイン」。

障害者自立支援法案について』
http://www.mhlw.go.jp/topics/2005/02/tp0214-1.html

障害者自立支援法案に関する厚生労働省の資料を集めたページ。

障害者団体:
まずは「グランドデザイン」に対する各障害者団体等の反応

第一回パーソナルアシスタンスフォーラムでの議論
『「グランドデザイン」Yes?orNo? これからの居宅介護・移動介護を考える』
http://www.eft.gr.jp/pa-forum/050108/index.htm
ピープルファースト
『わたしたちは地域であたりまえの生活を送りたい!』
http://pf-japan.jp/gd/tokushimashukai.html
DPI日本会議
『「改革のグランドデザイン案」に対する日本会議の見解』
http://www.dpi-japan.org/3issues/3-1shienhi/gd04/gd002.htm
日本障害者協議会
『「改革のグランドデザイン(案)」に対する緊急意見書』
http://www.jdnet.gr.jp/JDWebLetter/2004/20050107_2.htm
全国精神障害者家族会連合会
『今後の障害保健福祉施策について(改革のグランドデザイン案)
に関する意見書』
http://www.zenkaren.or.jp/zenkaren/topic/20041129/02.html
きょうされん
『グランドデザインについての評価と課題』
http://www.kyosaren.or.jp/news/2005/0126_1.htm
全日本手をつなぐ育成会
『「今後の障害保健福祉施策について(改革のグランドデザイン案)」
への見解と提言』
http://www1.odn.ne.jp/ikuseikai/2004/sokuhou/041124kenkai_teigen.html

次に「障害者自立支援法案」提示後のいくつかの障害者団体の反応

全国自立生活センター協議会(JIL)
障害者自立支援法論点整理法』
http://www.j-il.jp/jil.files/daikoudou/siryou/ronten.html
「障害者の地域生活確立の実現を求める全国大行動」 実行委員会
http://www.j-il.jp/jil.files/daikoudou/daikoudou_top.htm

財務省
私の見た限り、障害者福祉への直接の言及はほとんどありませんが。

第162回国会における谷垣財務大臣の財政演説
http://www.mof.go.jp/daijin/170121.htm
財政制度等審議会「平成17年度予算編成の基本的考え方について」
http://www.mof.go.jp/singikai/zaiseseido/top.htm
の中にある。審議会のメンバーには、財界の人や財政学者が多い印象。特に「総論3.歳出改革の方向性について」と「各論1.社会保障」が関連が深いかと。次のパンフレットの内容も参照。
パンフレット「日本の財政を考える」
http://www.mof.go.jp/jouhou/syukei/sy014.htm
特に「II.財政の今後の課題」の
『総論1.今後の財政運営の方針』
『総論2.歳出見直しに向けての取組み(17年度予算)』
『各論1.社会保障

疲れたのでもう無理だぁ(><)

追記:
内閣府経済財政諮問会議の動きも見過ごすわけにはいかないだろう。官僚主導から閣僚主導の行政とかいってるわけだし。というわけで最新の諮問会議の議事録をメモっとこう。
http://www.keizai-shimon.go.jp/minutes/2005/0601/agenda.html

ところで、諮問会議のメンバーは
http://www.keizai-shimon.go.jp/about/member/index.html
なわけだが、政府、日銀関係者以外の民間議員は、

牛尾治朗 ウシオ電機(株)代表取締役会長
奥田碩 トヨタ自動車(株)取締役会長
本間正明 大阪大学大学院経済学研究科教授
吉川洋 東京大学大学院経済学研究科教授

である。

そして今回もこの4人の署名で、
社会保障給付費の伸び率管理について』
http://www.keizai-shimon.go.jp/minutes/2005/0601/item1.pdf
とか
人間力の強化に向けた教育改革』
http://www.keizai-shimon.go.jp/minutes/2005/0601/item3.pdf
とか言っている。むむむ。