研究メモ ver.2

安藤道人(立教大学経済学部准教授)のブログ。旧はてなダイアリーより移行しました。たまに更新予定。

「環境」NGOとか「貧困」NGOとか

貧困と闘いつつ、貧困者に害をなすNGOたち
http://cruel.org/econ/idiotngo.html

まぁこんなモノなんでしょう。そういえばムンバイみたいにスラムだらけのところでは、「環境」を重視する現地NGOと「貧困」を重視する現地NGOはけっこう対立してたみたい。私がいたNGOのディレクターは環境NGOについてグチグチいってたわ。あと、世銀のプロジェクト下で働くNGOと世銀のプロジェクトを外側から監視するNGOも、仲悪かったみたいだし。

ムンバイにはSPARCというスラム問題に取り組む有力NGOがいて、そこは政府や世銀と上手く付き合いながら仕事をするのが得意なNGOなのだが、他のNGOの人達にはあまり評判がよくなかった。(ねたみもあるのか?)そういえば私がインターンしていたNGOのディレクターもちょっと敵視してた。世銀プロジェクトの片棒を担いでいたという点では、私のいたNGOも同じではあるのだが。

http://www.sparcindia.org/

ちなみにこのSPARCのリーダーの一人は、伊勢崎賢治氏の恩師であったりする。

あと、「環境」を重視するNGOが貧困者に害をなすことがあるのは、ちょっと考えればなんにもおかしくはない。極端な例だが、途上国の中産階級の環境NGOがスラム一掃(スラム住民の半強制的立ち退きとか移住とか)を支持することを考えてみればいい。上記の記事では「環境」NGOと「貧困」NGOの区別とかなくて、NGOはNGOとして一緒くたにされていてそこらへんの内実がどうだったのかがよくわからないのは残念。

関連項目:
伊勢崎賢治氏インタビュー』
http://d.hatena.ne.jp/dojin/20050225#p1
『ムンバイの都市開発記事』
http://d.hatena.ne.jp/dojin/20050517#p1