研究メモ ver.2

安藤道人(立教大学経済学部准教授)のブログ。旧はてなダイアリーより移行しました。たまに更新予定。

メモ:社会保障を支える税制について

社会保障を支える税制について
土居丈朗(慶應義塾大学経済学部)
平成22年11月22日
http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/syakaihosyou/kentokai/dai3/doi.pdf

スライドの一枚目と二枚目は以下のとおり

今後の財政運営はどうなるか
• 予算の無駄をなくす歳出改革は、不断の努力が求められる
• 「霞が関埋蔵金」依存は持続不可能
• 高齢化で社会保障費の自然増は不可避
• 歳出が多すぎるのではなく、税収が不足しすぎている
• 今後の財政は、税収をどう確保するかが課題
• 税制は、日本経済の行く末を決める1つの重要な要素

今後の税制で踏まえるべき点
少子高齢化(世代間格差是正
グローバル化(国際競争)
• 財政健全化(税収確保)
地方分権
 それぞれの要請に税制がどう応えるかを検討することが重要
 経済成長を阻害せずに、いかに税収を確保するか
 税制で格差是正を図るにしても、経済成長を阻害しては元も子もない
 消費税は増税所得税所得再分配機能の強化、法人税は減税

後半の井堀氏の参考資料には、2007年のドイツの付加価値税引き上げや2010年のイギリスの付加価値税引き戻しに関する興味深い統計データもある。

また、5枚目のスライドで紹介されている「税制が経済成長に与える影響」の研究はこちら。

Arnold, J., 2008, "Do Tax Structures Affect Aggregate Economic
Growth?: Empirical Evidence from a Panel of OECD Countries",
OECD Economics Department Working Papers No.643.
http://ideas.repec.org/p/oec/ecoaaa/643-en.html
(PDFファイルへの直リンクはこちら)
http://www.oecd-ilibrary.org/docserver/download/fulltext/5kzc0ms9f6kb.pdf?expires=1290442245&id=0000&accname=guest&checksum=2DF4142C5C0DED529B1F2145B48AAAE7