マクロ経済メモ
野口悠紀雄 未曾有の経済危機を読む
00年に1度の危機に、ケインズはよみがえるのか?
http://diamond.jp/series/noguchi_economy/10001/
「日銀引き受けで25兆円支出増」という思考実験――パンドラの箱を開ける
http://diamond.jp/series/noguchi_economy/10002/
なんというべきか。素人なので傍観以外ムリですが。
ここも参照。
世界経済危機 日本の罪と罰
http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/e6da1764de71a7cf294e066d68430ac9「まあ、なんでも、いいですけど」@日銀金融政策決定会合
http://d.hatena.ne.jp/shinichiroinaba/20081220/p1
ついでに。
ーーニッポンから貧困をなくす有効な手立てはあるんでしょうか。
高橋 やっぱり経済を底上げして、人々の収入を増やすことが大切だと思う。そのためには世界の先進国並みとはいかないまでも、名目で4%くらいの成長率。これは上げ潮派の基本的な考え方ね。そうすれば給料は今より上がるし、最下層の年収は間違いなく増える。
雨宮 でも、ワーキングプアの人たちは景気のいい言葉に懐疑的なんですよ。小泉改革で規制緩和とか底上げ路線とかが話題になりましたよね?それがなんだか景気が良さそうだとかプラスイメージだという理由で多くの非正規雇用者が小泉さんを支持した。ところが、その小泉政権の5年間でガラガラと生活が苦しくなって追い詰められたという、憎しみのような思いが彼らにはありますから。
高橋 それはうっすらと感じてはいました。ただ、上げ潮派は規制緩和などをやって小さな政府をめざすというイメージが強いんだけど、本当はそうじゃない。もともとはオバマ次期大統領のいる米民主党の政策で、経済成長をしながら同時に行政のムダをなくし、それを国民に還元しようというものなんです。
ーー小さい政府というより、ちょっぴり大きな政府というのが正確ですか。
高橋 そうだね。(以下略)
この後、EITC(給付つき税額控除)、ベーシックインカム、RMI(フランスの25歳以下の若者を対象とした社会保障制度)の議論がなされ、自分の専門的にはこちらの議論をしっかりフォローすべきなのだろうが、時期的、時事的にはやはり上述した部分が興味深いだろう。
このやりとりから伺われる雨宮氏のマクロ経済理解は、稲葉氏や田中氏が議論(罵倒?)し続けている左翼的、社会学的、社会政策学的な問題理解に通ずるものがある。
メアリー・C・ブリントン『失われた場を探して ロスト・ジェネレーショの社会学』への疑問
http://d.hatena.ne.jp/tanakahidetomi/20081205#p2
雑感
http://d.hatena.ne.jp/tanakahidetomi/20081207#p1
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イギリス社会学の伝統を踏まえた実証的貧困研究と日本の「主流派」社会学におけるイギリス社会学の不在
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著者の阿部氏は、第51回「日経・経済図書文化賞」 受賞図書である『生活保護の経済分析』を3人の経済学者との共著で出版した日本の貧困研究の第一人者である。だが、彼女のバックグラウンドはタウンゼントに代表されるイギリスの社会学的かつ実証的な社会政策研究(Social Policy)や貧困研究である。
Poverty in the United Kingdom: A Survey of Household Resources and Standards of Living
- 作者: Peter Townsend
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ここからは素人のディレッタント的たわごとだが、この系譜に近しいところに、T.H.マーシャルやティトマスなどの、今日の福祉国家研究の礎を築いたイギリスの偉大な社会学者たちもいる。タウンゼントも含めて、彼らはみな社会学者としてのアイデンティティを持っていたし、彼らの蓄積の上に立つ福祉国家論者のエスピン・アンデルセンも一社会学者として、「二つの社会、一つの社会学、そして理論の不在」という社会学についての論文を書いている。
Esping-Andersen,G(2000)Two Societies, One Sociology and No theory, British Journal of Sociology
http://www3.interscience.wiley.com/journal/121384755/abstract
下記の本の第6章で翻訳読める。
- 作者: ゲスタエスピン‐アンデルセン,Gosta Esping‐Andersen,渡辺雅男,渡辺景子
- 出版社/メーカー: 桜井書店
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なのに、日本で社会学というと、ドイツ、フランス、アメリカがメインのようで、イギリスの社会学的な政策研究は(ギデンズという例外を除いて)すっとばされることが多い。この社会学「史」の本もそうだ。
- 作者: 小宮友根,鈴木弘輝,堀内進之介,山根清宏,玉野和志
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どこの国でもそうなのだろうか。
この本自体は面白そうだしわかりやすそうだから積読。でも「社会学はきわめて実践的」と書いているわりには、学説史色が強すぎて、それらを現実社会の分析に適応したら世の中がどう見えるのか、よくわからない印象。
話を阿部本に戻すと、中身はまだ2章までしか読んでいないが、この本↓同様、勉強になりそうです。ただ、「サンプル数」という言葉が散見されるのは、英語で教育を受けた人なのに、不思議。プロもアマもみんな使っちゃっているし、もうこの言い方でいいことになったのかな。
http://d.hatena.ne.jp/dojin/20081001#p1
注:もちろん、日本の社会政策学者にはイギリス社会学の影響下にある人たちは、武川正吾氏や平岡公一氏を筆頭に、それなりにいる。社会福祉学者も入れてよいなら、その数はもっと増える。そういう意味では、「イギリスの社会学はすっとばされる」は言い過ぎだったかもしれない。そのうち、もう少し勉強します。←こればっか。