「経済成功って何で必要なんだろう?」&「差別と日本人」
「人文社会系の経済認識」と「リフレ派の経済認識」の対話。
一言でいうと、「真剣中年しゃべり場」(もう3年以上も前か)の続きというところか。この「しゃべり場」には飯田氏も参加されているので、ある意味、この副産物とも言えるかもしれない。
「真剣中年しゃべり場」
http://d.hatena.ne.jp/shinichiroinaba/20060208/p1
3章や終章では、リフレ派的見解を超えて、法人税の廃止、累進課税の強化、ベーシックインカムの導入など、飯田氏の理想社会像についても語られている。累進課税の強化は中間層に配慮して今はあまり声高に言うつもりはない、ベーシックインカムは具体的な実現のプロセスが見えないから具体的な話はできない、という運動家の湯浅氏との対比が興味深い。
- 作者: 辛淑玉,野中広務
- 出版社/メーカー: 角川グループパブリッシング
- 発売日: 2009/06/10
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野中:うん。寂しいよ。このごろ余計に寂しくなった、年と共にね。俺の八十三年間の努力は何だったんだろう。
辛:うん、わかる。
野中:一つも日本っていうのは目を開いていないじゃないかと。そして家族は縛られて、こんなかわいそうなことないじゃないかと。
(中略)
辛:人権は好きだけど当事者が嫌いな人はいっぱいいる。当事者と一緒に生きるっていうのはものすごい大変なことで。だから私、野中さんより寂しい人生ですよ(笑)
p193-195より抜粋