研究メモ ver.2

安藤道人(立教大学経済学部准教授)のブログ。旧はてなダイアリーより移行しました。たまに更新予定。

スウェーデンのアニメ祭とクール・ジャパノロジー

スウェーデンのウプサラでは、年に一度、UppConと呼ばれる北欧最大のアニメとマンガイベントが行われるらしく、それが次の週末にあるんだとか。街にも大きなポスターがあった。

UppConサイト
http://10.uppcon.se/
UppCon(Wiki)
http://en.wikipedia.org/wiki/UppCon

日本のアニメとかマンガには人並み以上の興味はないが、昔から宮台真司の読者なので、多少の情報は入ってくる。で、Uppcon開催を知って、そういえば最近クール・ジャパノロジーという東工大のイベントがあって、それに関連した宮台真司のつぶやきで、「アニメなどの日本のポップカルチャーを需要する人間は社会的文脈の無関連化機能を要求する人たちではないか。だとしたら、どういう人たちがそのような社会的文脈の無関連化機能を要求するのか。そういうことを分析するならば頭のいいカルスタだ」的なことが書かれていたことを思い出した。

どのような人間(所得、職業、文化的階層、階級とか家族関係とか地理的要因とか諸々の要因)が何を需要(あるいは受容)するのか、そしてそれは何故なのかというのは社会学に限らず社会科学全体の重要なテーマであり、自分も昔から興味を持っていることなのでメモ。

経済学(者)は社会学(者)ほど社会的な因果関係に豊かな(ときに飛躍した)意味づけはしたがらないが、かわりに因果関係(causal effects)の推定と検定には、(学問総体の平均値で比べれば)社会学(者)の何倍もの労力を使う。どちらも一長一短だけど、ひょっとしたらこういう分野(広い意味でのカルスタ)でも共闘できる時代がくるかもしれない。

その来るべき共闘の時代のためにUppConに潜入して「あなたたちはなぜ日本のアニメやマンガに魅せられたのですか?」と聞きまくってこようかと思ったが、残念ながらチケットは既に完売だとか。

「クール・ジャパノロジーの可能性」 第1日目の宮台発言抜粋(動画)
http://www.miyadai.com/index.php?itemid=854

第一日目の宮台真司コメント(7)
「どんな人間たちが社会的文脈の無関連化機能を要求するか?」
in「symposium Mar day1 part3」
http://www.ustream.tv/recorded/5201265
1時間08分10秒から1時間10分00秒(1分50秒)

関連エントリ:
私の階層経験
http://d.hatena.ne.jp/dojin/20070201#p2