スウェーデンにおけるパターナリズムと市民的公共性
おなじくhamachanブログ経由で。なんだかよくわからないが面白そう。
http://oohara.mt.tama.hosei.ac.jp/oz/611-612/611-01.pdf
序文
19世紀後半および20世紀前半の間,中間層のパターナリズムが,とりわけ主に工業企業主や卸売商,ブルク主などからなる上層中間層のそれが,スウェーデンにおける市民的公共性の形成や転換において重要な役割を果たした(1)。20世紀初頭の戯画誌によれば,その外見は特徴的である。明らかにそれは男であった。カリカチュアの中では,しばしば山高帽をかぶり,ビスマルク風のいかめしい口ひげをはやし,見るからに太っていて,そのためにふんぞり返っており,偉そうな風体をしていた。太い葉巻を吸っていることも多かった。
本稿では彼の世界観を論じてみたい。何よりもまず,彼を市民的公共性やそのパターナルな諸関係における変化の中で彼を論じることとする。次にその世界観の中で重要な部分を検討し,最後に工業企業家としての中間層のパターナリズムについて論じてみたい。