多くの方々はいろんな理由でスルーしているようだが、最近の田中秀臣氏のブログやツイッターでの振る舞いはひどいという他ない。個人的には、田中氏のブログやツイッターでいろいろ勉強させてもらっているし、学生の就職活動に対する真摯な姿勢などは尊敬しているのでこのようなことは書きたくないが、他人を批判するときに「ちゃんと見てる人はもうそういうふうに君を思っていない。」という「みんなお前のことなんか嫌いなんだよ」という小学生のいじめ的な表現を使ったり(この2つの言い方に共通する嫌さは日本の小中学校に通った人は感覚的には分かると思う)、相手の個人名と所属が分かったからどうたらこうたらとか、(その意図はないにせよ)誹謗を通り越して脅しにも聞こえる表現を使ったりと、やや行き過ぎである。おそらく根はいい人で、罵倒の加減の仕方が上手くないだけだと思うのだが、周りに罵倒上手な方々が多くいるのだから、そのあたりをウェブ上ではっきりと伝えたほうがよいのではないか。真似する良い子はあまりいないと思うけど、あまりいい傾向ではないと思う。
追記1:
あとこれは田中氏とは関係ないが、匿名であることについての批判は昔から繰り返しでているし、確かに自分も含めて匿名であることはよいことではないと思うが、例えば本や名前を売りたい大学教授・編集者・ジャーナリスト・活動家が実名で堂々とブログやツイッターをしていることと、就職活動を控えている学生や特定の思想信条をはっきりと実名で公表すると仕事に差し障りがある会社員や官僚が実名でブログやツイッターをすることとの間には大きな違いがある(その点、山形浩生氏は例外中の例外で、彼以外に彼のような立ち居地で同じようなことができる人はほとんどいないだろう。)
前者にとって実名ブログは明らかにプラス(知名度と売り上げと所得が伸びる)だが、後者にとって実名ブログのメリットはほとんどないに等しい。もちろん自分の日々の生活・研究活動・仕事内容について淡々と書くような人や、政治的にセンシティブでない事柄についてのみ書いている場合には実名でもデメリットはないかもしれないが、大きく意見が分かれるような思想信条や主義主張を表明する場合、会社組織や官僚組織に属する人が実名でブログやツイッターをやるメリットはほぼないだろう。
メリットがなくても、デメリットがあっても堂々と実名でやるんだという人々が匿名ブロガーの匿名性を批判するのならばわかるが(度胸がなくて日和見ですみませんというしかない)、実名ブロガーであることによって日々社会的・金銭的利益を享受している人々が、実名にしたところで何の利益もない匿名ブロガーの匿名性を批判したり揶揄するのは滑稽というほかない。