研究メモ ver.2

安藤道人(立教大学経済学部准教授)のブログ。旧はてなダイアリーより移行しました。たまに更新予定。

「小さな政府」は国民に支持されているのか?

「小さな政府」は支持された?(小林慶一郎)
http://www.rieti.go.jp/jp/papers/contribution/kobayashi/30.html

シカゴ大で博士とってもこういうことを言う人はいるのであった。(*追記:「博士課程修了」だからph.Dはとっていないのだろうか?)
しかし昨日の日経記事によると、日経の世論調査ではどうやら国民は「小さな政府」を支持しているらしい。
ネットで同記事が見つからなかったし、日経リサーチ(http://www.nikkei-r.co.jp/nikkeipoll/results.html)にも詳しいことはまだ載ってないようなのでので、新聞から抜粋。

消費税引き上げに関しては「社会保障をある程度削減し、増税を抑制すべきだ」が34%で最多。「社会保障を大きく削減してでも、増税は裂けるべきだ」も14%と慎重論が目立った。「社会保障の水準を維持するため、増税はやむを得ない」は33%だった。
 ただ男性では「やむを得ない」が38%で「抑制すべきだ」(34%)を上回った。逆に女性は抑制派が最も多い35%で、増税容認が29%にとどまっている。
 年代別でも見解の違いは鮮明になった。40歳代と50歳代は増税容認がともに約四割でトップ。20歳代と30歳代では「抑制すべきだ」が他を引き離した。若年層ほど社会補所九ウを削ってでも増税は圧縮すべきだとの意識が強い。

ちなみに、日経新聞に掲載されている図によると、選択肢は

①「社会保障の水準を維持するため、増税はやむを得ない」
②「社会保障をある程度削減し、増税を抑制すべきだ」
③「社会保障を大きく削減してでも、増税は避けるべきだ」
④いえない・わからない。

であって、各年齢層における①、②、③の比率(%)は以下の通り

全体       ①33 ②34 ③14
20歳代     ①37 ②50 ③6
30歳代     ①34 ②41 ③13
40歳代     ①39 ②34 ③14
50歳代     ①40 ②31 ③16
60歳代     ①31 ②37 ③9
70歳以上    ①18 ②22 ③23

詳しいことは母集団とか質問項目をちゃんと見ないと分からないけど、この世論調査が民意を正しく反映しているとするならば、社会保障制度の充実を願う人々は、やれネオリベだとか新自由主義だとか福祉削減イデオロギーとか、小泉政権を批判するだけじゃだめなのは一目瞭然。がんばろー。

関連項目:

『自分用メモ:政府税調の所得税増税案に対する社説とか政党の反応とか』
http://d.hatena.ne.jp/dojin/20050703#p1

『平成17年度 年次経済財政報告』
http://d.hatena.ne.jp/dojin/20050819

『歳出改革による痛み』
http://d.hatena.ne.jp/dojin/20050923#p1

『『税のはなしをしよう。』をネタに社会保障と財政について考える。』
http://d.hatena.ne.jp/dojin/20051108

『mojimojiさんの議論を読んで』
http://d.hatena.ne.jp/dojin/20051116