研究メモ ver.2

安藤道人(立教大学経済学部准教授)のブログ。旧はてなダイアリーより移行しました。たまに更新予定。

途上国

石井光太:アフリカ・ウガンダの少女兵ルポ

190万人の難民を生んだアフリカ・ウガンダの悲劇 銃を持った子どもたち 石井光太 http://g2.kodansha.co.jp/?p=3764 映画ホノカアボーイでほのかあとした気分になった後に読んで、一気に眼が覚めた。今回も興味深い内容。相変わらず記述のディテールが細かす…

いまさらスラムドッグ$ミリオネア雑感

トラバもらって、感想書くと以前書いたのを思い出した。 スラムドッグ$ミリオネアを見る前に/見た後に読むべき2冊(ネタバレなし) http://d.hatena.ne.jp/dojin/20090420#p1 正直言うと、ちょっと期待はずれだった。お兄さんはともかく、主人公やヒロイン…

スラムドッグ$ミリオネアを見る前に/見た後に読むべき2冊(ネタバレなし)

かつて(というほど昔ではないが)私は、ムンバイに合計半年ほど滞在し、スラムに関わるNGOでインターンとして働いて様々なスラムに出入りし(もちろんソーシャルワーカーみたいなことはできないので、ただの見学)、家の目の前のスラムから来るメイドと…

子どもの最貧国・インド

石井光太氏の「地を這う裸虫 切断されたインドの浮浪児たち」が月刊PLAYBOYで連載中。第二話 闇に消えた子どもたち。PLAYBOY (プレイボーイ) 日本版 2008年 11月号 [雑誌]出版社/メーカー: 集英社発売日: 2008/09/25メディア: 雑誌 クリック: 4回この商品を…

『神の棄てた裸体 イスラームの夜を歩く』

ぱらぱら眺めただけだが、今回もスゴい。神の棄てた裸体―イスラームの夜を歩く作者: 石井光太出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2007/09メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 38回この商品を含むブログ (25件) を見る関連エントリ 石井光太著『物乞う仏陀』 ht…

メモ:『山形浩生の:世界を見るレッスン』

「現場にいくのがそんなに偉いか? 真の世界貢献とは」 http://cruel.org/alc/alc200612.html 特に携帯電話の話の部分が面白い。私のように科学技術に疎い人間は、(ただの関数上の一変数ではない具体的な)技術進歩が途上国や先進国の経済や社会に与えるイ…

それでも「ダーウィンの悪夢」はいい映画だった。

以前、ドキュメンタリー映画「ダーウィンの悪夢」について以下のように書いた。 『ダーウィンの悪夢』を巡って http://d.hatena.ne.jp/dojin/20061221#p1 このブログのアクセス数は普段はたいしたことはないと思うが、このときは宮台真司氏のブログにトラバ…

メモ:伊勢崎賢治氏インタビュー紹介

私がひそかに尊敬している伊勢崎賢治氏のインタビュー記事を発見。googleで「伊勢崎賢治」を検索すると、このインタビューの次の次にこのブログに掲載したインタビューが来るのはちょっとだけうれしいが、内容的にはやっぱり負けている? インドで40万人を指…

メモ:梶ピエール氏のフェアトレード論

まっとうなフェアトレードの経済学 http://d.hatena.ne.jp/kaikaji/20061123フェアトレード運動のジレンマと意義 http://d.hatena.ne.jp/kaikaji/20061125世界のコーヒーの生産量はなぜ減らないのか。 http://d.hatena.ne.jp/kaikaji/20061127さらにしつこく…

『ダーウィンの悪夢』を巡って

話題作、『ダーウィンの悪夢』が明後日からシネマライズで公開される。 http://www.darwin-movie.jp/見てもいないし、劇場に見に行くヒマはないかもしれないけど、この映画に関するちょっと気になる文章を発見したので紹介しよう。まずは長めの前置きから。…

メモ:the economistのフェアトレード記事の日本語訳 by山形浩生氏

山形氏のThe Economist セレクションに興味深いフェアトレード記事の日本語訳が立て続けに三つアップされた。いろいろ考える材料になりそう。 スターバックス VS エチオピア http://cruel.org/economist/economiststarbucks.html倫理的な食べ物はかえって有…

ボイコットメモ

『ボイコット・経済制裁・ハーシュマン(上)』 http://d.hatena.ne.jp/kaikaji/20060805#p1

『抽象的に物事を語ることと現実を前にして語ることとの違い』

表題は、以下の記事から抜粋したものだ。『医療費』 http://blog.livedoor.jp/kotaism/archives/50450717.html やがて、おばあさんは病気になりました。政府の病院なら無料です。しかし、無料なのは診察だけ。治療にも薬にもお金がかかります。 彼女はお金が…

石井光太著『物乞う仏陀』

物乞う仏陀作者: 石井光太出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2005/10/13メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 19回この商品を含むブログ (23件) を見るアジア8ヵ国の物乞い(特に障害のある物乞い)との交流や物乞い事情のフィールドワークを題材にしたノン…

稲葉振一郎の朝日連載『ブログ解読』のスウェットショップネタ(追記あり)

下記のブログで、稲葉振一郎(id:shinichiroinaba)氏の朝日新聞夕刊『ブログ解読』(6/13 夕刊文化面)でスウェットショップ問題が取り上げられていて、自分のブログも少しだけ登場していることを知った。おととい実家に帰ったときに朝日記事を記念に切り取っ…

ジェフリー・サックス『貧困の終焉』の冒頭の写真に。。。

びっくりした。ついこの間、ムンバイのNGO、SPARCについて書いたのだが、 http://d.hatena.ne.jp/dojin/20060610#p1 今日ジェフリー・サックス『貧困の終焉』を買って、冒頭の写真を眺めていたら、なじみのある風景の写真が三枚ほど。。。えっと思って写…

「環境」NGOとか「貧困」NGOとか

貧困と闘いつつ、貧困者に害をなすNGOたち http://cruel.org/econ/idiotngo.html まぁこんなモノなんでしょう。そういえばムンバイみたいにスラムだらけのところでは、「環境」を重視する現地NGOと「貧困」を重視する現地NGOはけっこう対立してたみた…

クルーグマンの"In Praise of Cheap Labor"

『マンキューブログより』 http://d.hatena.ne.jp/dojin/20060419#p1 のコメント欄で経済学者二人にたしなめられたわけだけれども、同じトピックに関して、再び以下のマンキューブログ経由で、 The Morality of the Global Economy http://gregmankiw.blogsp…

マンキューブログより

『正義はハダカにあり』(梶ピエールのカルフォルニア日記) http://d.hatena.ne.jp/kaikaji/20060419#p1 経由で読んだマンキューブログ 『 Sweatshop Protests at Berkeley』 http://gregmankiw.blogspot.com/2006/04/sweatshop-protests-at-berkeley.html …

スティグリッツのフェアトレード論

これは(いつか)読まねば。すぐ和訳がでそうな気もするけど。『Joseph E. Stiglitz=Andrew Charlton, 'Fair Trade for All: How Trade Can Promote Development'』(梶ピエールのカリフォルニア日記。)より http://d.hatena.ne.jp/kaikaji/20060113#p1 なぜ…

ホワイトバンドとか世界社会フォーラムとか

世界的な運動で知ってる人も多いんだろうけど、私は恥ずかしながら今日、友人に教えられて知った。『ほっとけない世界の貧しさキャンペーン』 http://www.hottokenai.jp/home.html私自身はこういう運動はちょっと苦手だが、そりゃ、ないよりあったほうがいい…

山形浩生のフェアトレード論ってどうよ

サイゾーを立ち読みして、いつものように最後のページの山形浩生の雑文を読んでたら、テーマがフェアトレードだった。内容は、フェアトレードに熱心な無垢なおばさんを馬鹿にする、という彼らしいスノビッシュな内容だった。内容はというと、フェアトレード…

反資本主義運動と情報の非対称性

上の文章を少し中和しよ。フェアトレード・反ナイキ運動・反スタバ運動など、新しい消費者運動がさかんになってきたと言われる。これらの運動は、よく反資本主義運動と思われているが、私はそうは思わない。というのも、これらの運動の目指すところは、少な…

そもそも左翼ってなんなんでしょう

ーーisa氏とやりとりをしながら思ったことーーこれに関してはいろいろな議論がありそうだが、とりあえず今の私が、自分の自覚できる範囲内で、自分が左翼だと考えるところは、今の世の中の配分のあり方、もしくは再分配のあり方を、そのまま肯定しない、とい…

またまた批判されている。

isa氏「dojin氏の反論に見られる左翼的「論理」の構造と「倫理」 http://plaza.rakuten.co.jp/isanotiratira/diary/200503110000/

「イデオロギーをイデオロイギー的に解釈しただけでは、とイデオロギー的に批判している」と批判された件について

私の雑文「イデオロギーをイデオロギー的に解釈しただけではないのか」 http://d.hatena.ne.jp/dojin/20050223#p1に対してisa氏が反論している。「イデオロギーをイデオロギー的に解釈しただけでは、とイデオロギー的に批判している」という、なんとも見慣れ…

インドのメイドの話

私は大学二年の時、とある現地NGOの研修生として、インドに約五ヶ月間滞在した。しかし、インド滞在中で一番印象に残っているのは、NGOのことではなく、私が滞在した研修生用アパートで働いていたSというメイドと、いつも彼女にくっついて遊びにきて…

伊勢崎賢治氏インタビュー 

一年ほど前、自分の企画したフリーペーパーに載せるために伊勢崎賢治氏へのインタビューを行った。(*私もインタビューしたけど、この企画の企画者、インタビューの編集者は私ではない。企画者・編集者の方、ありがとうございます。)新書(isbn:4061497677…